九州動物学院
 

私たちのそばにいて、いつ・いかなる場合でも親愛の情を示してくれる。
今や「ペット」は私たちの毎日に、かけがえのない存在になりました。 

 私は毎日、多くの飼い主さんとそのペットに出会います。永年連れ添った関係もあれば、まだまだお付き合いが始まったばかりの関係もあります。いろんな間柄をみるにつけ、「この人たちにとってペットの存在価値は何だろう」とよく考えます。

 人間社会で生きていれば、いろんな「関係」が構築されます。隣人や友人関係、はたまた恋人同士、それから夫婦。こうしたいくつもの相関図に、もちろんペットは重要な役割を担っています。
 中でも一番は、夫婦の間で「かすがい」という役割をになっている場合です。
日本だけでなく、世界中で離婚率は高まるばかりです。昨今は「バツ1」などと簡単な呼称がついてはいますが、決して簡単なことではありません。単に二人の問題を越え、周囲に大きく影響を与えてしまうゆゆしき問題だと思います。
日本では昔からよく言います。「子はかすがい」だと。夫婦の間柄だけでなく、両親としても存在する二人は、その間に授かった「この子のためにも」と、離婚を考え直すケースは少なくないと思います。

 ところがアメリカの統計によれば、子はかすがいもさることながら、ペットも十二分にその役割を果たしていると言うのです。離婚すれすれの二人でも、ペッ トを介して「会話」をしたり、話題を共有したりすることで、何とか夫婦関係を保っているのだそう。まさに「ぺっとはかすがい」なのです。

 私は、人間関係に悩んでいたり、どうしてもコミュニケーションが苦手だと言う人がいたら、ペットを飼うことをお勧めしたいと思っています。例えば、犬を 飼って、散歩に行ったとする。知らない人が声をかけてきます。「かわいいですね、何才ですか?」立派なコミュニケーションです。見知らぬ他人同士が、ペッ トを介することで、警戒心がなくなり、まるで旧知の仲のように対話することができる。こうしたことが度重なれば人間関係は広がり、世界観も大きく変わるで しょう。まさに「ペットの効果」なのです。

 ペットのこうした効果を伝えることも、私たちプロの大きな役割です。
ペットの存在が、物事を円滑に運ぶ潤滑油になっていたり、人と人をつなぐコミュニケーション大使になっていたり・・これこそがペットが存在する「ほんとうの理由」なのかも知れません。

 希薄な人間関係が好まれる時代に、逆行するかのようにペットブームはまだまだ衰えを知りません。もしかしたら私たち人間を・・こうした社会を救うために、健気なペットたちは存在してくれているのかも知れませんね。