九州動物学院
 

「キミは母親そっくりだね」。「父親によく似てきたよ」。よく交わされる会話です。
同じ遺伝子をもって生まれてきた親子であれば当然でしょう。DNAのなせる業です。

  不思議なのはペットが飼い主に似ることです。性格はもちろん人相まで似てくる。表情もそっくりで、ペットを見れば飼い主さんも容易に想像がつくくらい です。例えば、こわがりな飼い主さんのペットを見れば、同じようにビビりでシャイな場合が多い。神経質な飼い主さんだと、ペットも非常に繊細です。

 それから、犬や猫も笑います。気づいていましたか?表現の「上手下手」はあるものの、実に見事に笑います。その笑顔さえも似るのです。照れたように笑う 犬には、同じようにシャイな笑顔の飼い主さんが。豪快に笑う飼い主さんの横には、満面の笑顔をたずさえたわんちゃんがいます。本当に不思議ですが、遺伝と は違う・・まさに「ミラー効果」です。

 表情だけでなく、性格も性質も当然似てきます。
俗に言う「おりこうさん」なペット。ちっとも吠えないわんちゃんに、おとなしい猫ちゃん。しつけもきちんとできていて、決してソファーをかんだり、トイレ を失敗したりしません。お散歩も実に優雅。遠くから「お友だち」や「敵」がきたとしても、騒動しません。ゆったりと構えてどこ吹く風。飼い主さんからした ら、「うちの子に比べて・・」という羨望の的です。でもちょっと待って。これは単に「よそのわんちゃん」がおりこうさん」で、「うちのわんちゃんがばか」 なのでしょうか。じつはこれも多くは「ミラー効果」。おりこうさんなペットの飼い主さんは、やっぱりそっくり。これもミラー効果による「遺伝」なのです。

生活が密着し、ペットと飼い主さんの距離は縮まる一方で、共有するできることも多くなり、共有時間もどんどん長くなっています。これだけ「いつも一緒」に いれば、似てくるのは当然なのかもしれません。飼い主さんの顔を見て過ごす時間が長くなれば、同じような顔を映し出すようになる。性格もそう。飼い主さん の「そっくりそのまま」を受継いだ相棒が誕生し、いつしか分身になる。すごいことです。

 私たちの等身大の姿を、見事に映し出すペットたち。私たちの相棒は、実に忠実で、実におりこうさんだと思いませんか?

 さあ、まっすぐに見つめてみて下さい。うちの子を。まるで鏡のように映し出したペットを、「あなたのありのままの姿」として直視できますか?