九州動物学院
 

6月に入って気候が良くなってきました。草や花の植物も伸びてくるし、微生物も活性化する時期ですね。
 

 

学校も4月に始まって5、6月ということで、精神的に落ち着いてくるシーズンでもあります。
自分を見つめなおし考えてみたり、新しいことをはじめてみたりと季節の変わり目の月です。
 

 

 動物病院では、6月はノミやダニが一気に増えてくるシーズンです。
ワンちゃん、ネコちゃんに対するノミ・ダニ対策として昔は、ノミ取り首輪、ノミ 取りシャンプー、ノミ取り粉などが広く使われていました。
それが今では液体をペットの首に付けるだけの、スポットタイプが主流になってきています。
これを 付ければ48時間以内にポロポロと、ノミが弱って落ちてくる。ほとんどほ乳類には無害、節足動物の対策として便利で画期的なものです。時代はどんどん便利 に変わってきていますね。
 

 

ところが昔ながらの年配の飼い主さんのなかには、自分で一匹一匹潰すという方もいるのです。
こういった飼い主さんは、一匹ずつ追いかけて潰すのを一種の楽しみにしてしまっているから、「ノミ・ダニ対策はいらない」ということになったりします。

でもノミは一日に10個もの卵を産むから、あっという間に増えてしまいます。
一匹いれば1000匹のノミの予備軍がいると思ってください。だからこそノミが目に見える前に対策が必要なのですが、このことを知らないと必要性がわからない。

 

ノミを潰したことはありますか?潰すと中から白いものがでてくるでしょう。あれはノミの卵です。“潰す”ということは、産卵させるのと同じことです。ノミを見つけたら潰さずに中性洗剤に漬けたり、セロテープなどにくっつけたりしないと、却ってノミを増やしてしまいます。
 

 

私たちはこういうことを知っているけれど、年配の飼い主さんたちは知らないのです。知らないから潰してしまうのです。私たちのほうからノミ・ダニ対策の必要性を教えなければいけませんね。 

 

それに潰すと楽しい、快感というけれど皆さんは“ノミにも家族がいる”と考えたことはありませんか?ノミやダニにも家族がいて、友達がいて、暮らし があったかもしれないですよ。(学生が笑う)。大事な人が潰されたらどう感じますか? 皆さん、笑っているけれど、ノミも生き物です。このことを忘れてはいけません。
 

 

ゴキブリも嫌われもので、死んでいるのにさらに殺虫剤をかけたりする人もいる。生き物に携わる人間として命ということに敏感になってください。ハエ や蚊が入ってきたら、たたき殺さずに外に出す。道端の草や花を抜いたら、捨てずにちょっといけてあげる。ノミ・ダニを殺すなということでなく、そういった ものにも生命があるということを心の片隅に留めておいて欲しいと思います。

 

この学校の基本は「敬天尊命」、天から授かった命を尊ぶという意味です。せっかく生まれてきた命すべてを貴び、大切にしてください。草にも虫にも、どんな生き物にも生命があることを忘れず心配りをしてください。