九州動物学院
 

竜之介動物病院に臼杵さんという、駐車場整備の人がいます。この臼杵さんの話題が、先日新聞の投稿欄に載りました。投稿者である飼い主さんはあまり運転が 上手でなかったようで“竜之介病院の駐車場に車を停めるのがいつも怖かったが、駐車場にいた整備の人が代わりに停めてくれた、その後も雨の中帽子をとって 会釈をしてくれて感動しました”という内容でした。臼杵さんは単なる駐車場整備のおじさんでなく、竜之介動物病院というと「あの駐車場係の人のいる病院で しょ」と言われるほど、代名詞のような大きな存在になっています。
 

どうして臼杵さんが、ここまでの存在になれたと思いますか?それは言われた仕事だけをやっているだけでないからです。人に感動を与えるほど、心を込めた仕 事をしているということです。これはもう、ただの駐車場係ではないですよね。こちらも感心するほど努力家で、動物看護師のライセンスも取得しました。竜之 介に家族連れで来るでしょう。お母さんと子どもはペットと共に病院へ、お父さんは車の中で、ということが多いですね。その車で待つお父さん相手に臼杵さん は話をするのです。動物看護師だから、看護師としてのアドバイスもできる。新聞もよく読んでいるので政治経済の話も詳しいし、天気予報も細かくチェックし ているので、幅広い色んな話ができます。待っている人たちと面白い話をして、飼い主さんたちを引き止めているのです。臼杵さんを見ていると、道行く車によ く挨拶をしています。何をしているかというと、竜之介に通う飼い主さんたちが通り過ぎる時に臼杵さんに挨拶をするので、挨拶を返しているのです。一駐車場 誘導員でなく、竜之介のスタッフの一員として認知されているのです。
 

言われたことだけをやるのは、仕事とは言いません。それは単なる作業です。思いやり、ひたむきさ、向上心など仕事に対する情熱が人に感動を呼んで初 めて仕事と呼べます。今では臼杵さんは、竜之介の車輌関係全ての作業をするまでになりました。駐車場係というと、動物関係の仕事には見えないかもしれませ んが、臼杵さんの仕事は立派な動物関係の仕事と言えるでしょう。最近ではフードアドバイザーの勉強をしていて、ペットの肥満についても説明できるようにな りました。動物関係の仕事に何でも繋げることが、自分次第でできるのです。

一見、動物と関係のないホテルに就職した先輩がいます。この先輩は、ホテルのお客さんと動物の話が出来ますね。そのうちに「うちのペットも泊れると いいのにね」というお客さんも出てきて、ペットが泊まれる施設ができたり、ペットのサロンができたりと仕事がどんどん広がりました。動物関係の仕事では、 いつまでにこのポジションに来なさい、というのはありません。まだまだ開発途上の仕事なので、働き方次第で様々な仕事が生まれてゆきます。ペット関係の仕 事のポジションも上がっていくことでしょう。常に情熱と、プライドと、自信をもって仕事に取り組んで欲しいと思います。作業をこなすだけから、こういった 仕事のあり方について考えてみてください。