九州動物学院
 

 今、捨てられる仔犬や仔猫が増えてきています。春先4、5月くらいに生まれると、ちょうど梅雨ごろに離乳するので、毎年この時期に捨てる人が多い ようです。このワンちゃんネコちゃんたちの命は、ボランティアの人たちの活動によってかなりの数が救われています。NPOに参加したり、自分たちでグルー プを作ったりさまざまな活動が行われているようです。

 

 そこでみなさん、少し考えてみて欲しいのですが、ボランティアとはなんでしょうか?また、ボランティアとは本当に良いことなのでしょうか? ボランティアは無償活動でなにももらっていないと言われていますが、本当にそうでしょうか? 私はボランティア活動をしている人たちは、何かを受け取っていると思います。活動している本人が元気になることだったり、いいことをした気分になったり、 人によって違うけれど何かしらの満足感を受け取っているのではないでしょうか? 活動をしている側の人は「ボランティアをやっています」と言いますが、活動を受ける側の人は「ボランティアを受けています」とは言いませんよね。それぞれ の立場で考えも違うので、“無償奉仕で良いことをやっている”という自己満足だけではなかなかボランティア活動はうまくいきません。みなさんはこれから ボックス活動などを行うこともありますから、このことをぜひ一つ覚えておいて欲しいと思います。

 

 竜之介動物病院にも、捨てられたワンちゃんネコちゃんを拾った人がたくさんやってきます。“何とか治してあげたい”と必死なのは分かりますが、ボ ランティアなので診療費を無料にしてとか、値下げしてとかいうのは、病院に自分の気持ちを押し付けていることです。継続的にボランティアを行っているよう な人は、意外にそのことを声高にいいません。病院に次々にネコちゃんを避妊につれてくる人がいるのですが、話を聞いているとおそらく、近所のノラネコを捕 まえては「これ以上かわいそうなネコが増えないように」と病院に連れてきているようなのです。そのことを自分から言いませんし、料金も正規のものを毎回 きっちり払っています。

 

 「ボランティアだから協力してください」と、病院に押し付けるのはとても無責任な行為です。ボランティアはよいものだからみんなが協力すべきとい うような考えは、周りの人にとって迷惑なのではないでしょうか? ワンちゃんネコちゃんを保護するグループはたくさんありますからタッグを組んで大きな輪にするとよいと思いますが、なかなかうまくいっていないのが現状で す。なぜかと言うと、それぞれのグループの趣旨がグループごとに異なるからです。人に押し付けるような自己満足でしかないボランティアには、反感を持つ人 もいます。動物を拾った人には、拾った責任というものがあります。拾った限りはその動物が死ぬまで全責任を負う、という考えを持ってください。自分の可能 な限りで行うというのが本来のボランティアでないかと思うのです。