九州動物学院
 

みなさんが目指している動物看護師という仕事は、思っている以上に難しい仕事です。
獣医師が求められていることは動物のケガや病気を治すということだと言えますが、動物看護師だと仕事は一言では言い表せないほど多方面にわたります。

 


 熱の高いワンちゃんの飼い主さんに「熱が高いですね。薬を出しましょう」と獣医師がいうと、たいていの人は看護師に「熱は何度ですか?平熱はどれ くらいですか?」と聞きます。そして最後に「安静にして様子を見ましょう」と獣医師が言うと飼い主さんは窓口の看護師に「散歩は行っていいですか?」など と聞きます。獣医師と飼い主さんの間には見えない壁があって、なかなか直接獣医師に質問しません。この壁を看護師であるみなさんがフォローする必要がでて きます。また、入院しているワンちゃんネコちゃんのお世話をして食餌の量を獣医師に伝えるのも、動物看護師の仕事です。食餌を“全部食べた”といっても、 今までと比べて喜んでガツガツ“全部食べた”のか、嫌々ながらも“全部食べた”のかで、伝える内容がまったく違ってきます。何をどう伝えるかで、獣医師の その後の治療も変わってくるのですから大変なことですね。この差というのは動物看護師の見る目や感性の差であり、レベルの差なのです。

 


 動物看護師の仕事は、獣医師・飼い主・動物それぞれの意思疎通がとても大事です。獣医師の指示を飼い主さんに伝え、飼い主さんの心配を獣医師に伝 える。動物の様子もしっかり観察・把握して、獣医師に伝える。この関係をうまく回すことができるのが、仕事の出来る看護師というものです。動物だけみてい ればよい、というものではありません。獣医師の考えを理解し、動物を観察する。言葉にするとたった一言ですが人間ができていなければ、なかなか実際にやる ことは出来ません。獣医師の言葉をどれだけ理解しているか、飼い主さんの心情をどれだけ汲んでいるか、また動物の様子をどれだけ観察しているか、そしてこ の関係をどう回すのか、そういったことをこの学院でしっかり修得してもらいたいと思います。ペットショップや動物園でも、動物看護師には橋渡しとしての仕 事が求められます。

 


 時間やお金がないという学生がいますが、学生の時にしか学べないことはとても多いのです。就職すると、よその病院にインターンシップへ出ることな どはまず無理な話です。実習や研修、インターンシップも“あの病院で勉強したい”と思えば、学生のみなさんは受け入れてもらえますね。なるだけ多くの人と 会って、看護師の仕事の回し方について学んで下さい。人間関係を上手に回す方法は教科書には載っていません。夏季休暇中にもアルバイト先、研修先で多くの 人と出会って、いかにこのことが重要か考えてみてください。動物看護師の仕事は人間として、医療従事者として、さまざまなことが求めらるやりがいのある仕 事です。今この時を大切にして、多くのことを学んでほしいと思います。